お寺 ひきこもり 双極性障害

【6年後編】ひきこもりだった私が禅寺へぶち込まれた話(7)

日はまた登る

あれから6年が経ちました

こんにちは、静寂です。
あれから6年後の話をします。
私は入院も経験し、退院後も統合失調症の治療をしていました。

投薬治療もありだんだん元気になってきた私はお寺のことが気になり出します。
あれからどうなったのだろう?
日に日にお寺への思いが強くなっていきました。

心の傷は自然治癒で癒えていました。
さすがに6年の年月は傷を癒すには十分すぎる時間です。

そこで私はお寺へ連絡を入れます。
安井さんという全然知らない人が対応してくれました。

安井さんの案内でお寺を一通り見せていただきます。
本堂は建て替わっていました。
綺麗になっていてびっくりです。

居間には時間割が貼ってありました。
「しぃくんの時間割が貼ってあります」
この時初めてしぃくんが大学に行っていること知りました。
びっくりしましたね。

本堂を見て、本堂の裏も見ました。
本堂の裏側には位牌がたくさんあります。
その中に……阿虎さんの位牌がありました。
私は目を瞑り、両手を合わせます。

阿海さんはドイツに帰って、向こうで禅を広めているようでした。
阿隆さんは関東の方のお寺を縁があって継がれたそうです。
阿雲さんは近くのお寺を継いでおられ、たまに来られるとのこと。
阿信さんは……誰も彼の今を知るものはいませんでした。

安井さんは外も案内してくれました。
小さなログハウスは2つから5つに増えていました。
そして私たちが建てた大きなログハウスを見せていただきます。

「前までは禅堂として使っていたのですが、今は宿坊として使っています」
安井さんは丁寧に対応してくれます。

ログハウスの前に来た時「こんな感じに出来上がったのか」と感激しました。
6年も経ちますから、砂埃でどろどろでしたけど私には真っさらに見えていたのかもしれません。

中に入ると本が置いてある空間があり、さらに左右に部屋がありました。
中には2段ベッドがふたつずつありました。

これは8人も寝れる宿坊なのか。
今でもなんらかの役に立っているんだと思うと、嬉しかったです。

木目

私が建てたわけではないのですが、関わった者として嬉しかった。
ふと上を見上げると名前がずらっと書かれていました。

「建設に関わった人たちの名前です。静寂さんの名前もあるのではないですか?」

私は途中で投げ出した人間です。
名前なんてあるはずがありません。

「静寂さん、あれじゃないですか」

安井さんの指す方向を見るとそこには「戦姫静寂」とフルネームで記されていました。
熊さんか、しぃくんか誰かが書いてくれたのでしょうか。

私は確かにここにいたのだ。

私は目に涙を浮かべて、しばらくじっと見ていました。
滲み出る涙は、嬉し涙でした。

ありがとう、みんな。
私はまた歩き出すことができそうです。

-お寺, ひきこもり, 双極性障害

© 2021 メンヘラの生きる道 Powered by AFFINGER5