精神病院

私が精神病院に医療保護入院したときの話 〜保護室編〜

森の間から

誰かの叫び声が常に聞こえる不思議な場所、保護室

意識が回復したら、そこは閉鎖病棟の保護室でした

「うわああああああああああああああ」
「ぎゃああああああああああああああ」
絶え間なく悲鳴が聞こえてくる場所で私は目覚めました。
私はなぜか病院のベッドの上にいるよう。
目の前の食事台の上には封が切られていない牛乳パックが横を向いて倒れていました。
それが妙に印象に残っています。
「うああああああああああ」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
私は保護室の出入り口まで歩きます。
手首には縄の跡が残っていて不思議に思いました。
出入り口の近くにはトイレがありました。
そして出入り口は固く閉ざされていたのです。
トントントン。
何も反応がありません。
ドン! ドン! ドン!
全く何も起こりません。
ふとベッドの方を見ると、お茶が1リットルくらい入っている透明の水筒がありました。
私はそれを手に取って、躊躇なくドアへ向かって思いっきり投げつけました。
透明の窓ガラスのようなものはピクリともしましせん。
私は何度もそれをドアへ投げつけていました。

森

保護室のドアの壁は厚かった

そのうち私は疲れ果て、謎の悲鳴も疲れたのか聞こえてこなくなりました。
私はここから脱出したかった。
それは本能なのでしょうか?
急に白い服を纏った人が大勢入ってきました。
私は混乱します。
彼らは首から名札を下げていて、私はその名札を奪えばここから出れる権利を得ると考えていました。
どこからそのような考えが出たのかわかりません。
私は名札を奪うチャンスを伺いました。
ひ弱そうな男の人を選びます。
その人が横を向いているときに私は名札に飛び付きました。
「こら、何するんや!」
「落ち着け!」
私はここから出たい思いだけで名札を引きちぎって奪いました。
彼らも黙って見てません。
もみくちゃになって、力比べになります。
しかし、向こうは数がいます。
私は数人の男の人に押さえつけられ、名札を取られてしまいます。
そのときひ弱そうな男の人の手が私の顎に強く当たりました。
痛かったですけど、そのときは名札のことで頭がいっぱいでした。
なんて奴らなんだ!
私は怒りの塊と化します。
そのときです。
ひ弱そうな男が私の顎を撫でて「痛かったやろ。ごめんやで」と言いました。
そのとき意味がわかりませんでした。
ただ心の中で彼の優しさが際立ちます。
白い集団は悪い人たちではない。
彼の優しさが私を浄化していく感じが今でも忘れられません。

根

保護室へやってくる白い服の人たちは看護師たちだった

白い服を着ている人が看護師だと後から理解します。
それからまた看護師の集団が部屋に入ってきます。
私は彼らにどうしても伝えたい気持ちがありました。
「暴れてごめんなさい」
すると、看護師たちはひどく戸惑っていました。
「えっ?」
「ええっ?」
なぜそんなにびっくりするのか。
不思議で仕方なかったです。
それから私の部屋に集団でやってくることはなくなりました。
私は推測します。
以前すごく暴れていたのだろうと。
手首の縄の後はベッドに縛られていた跡だと、のちに聞かされました。
四肢を縛られていたのです。
微かに縛られていた記憶があります。
でも断片的でよくわかりません。
そこへ看護部長がやってきます。
「ここがどこかわかりますか」
「はい、○○病院です」
それから精神科医がやってきました。
私の担当はおじいちゃんの委員長先生でしたが、なぜか女医がやってきました。
「今までうつ病と診断されていましたが、今は統合失調症として治療していきます」
直接言われたのか、カルテを見て知ったのか忘れてしまいましたが、ここで初めて統合失調症という病気のことを知りました。
今思えば委員長先生に「なんか聞こえてくるか?」としつこく聞かれたことがありました。
私は幻聴という認識がなく、頑なに聞こえてこないと返事しました。
今思えば幻聴ではないかと思われることがたくさんあります。
でもそのときは幻聴という認識がなかったのです。
ここでうつ病の病名になったのでしょう。
統合失調症の診断は女医が下したようでした。
そして私の担当医はこの女医になりました。

保護室から大部屋への移動する話が出ます

松

あれだけ嫌がっていた保護室から、出るのが怖くて仕方なかった

「そろそろ大部屋にいきますか?」
ずっと保護室で過ごしてきて、大部屋の響きにびびりました。
他の患者さんがいる環境が怖かったです。
「まずホールでご飯を食べましょうか」
誰がいるのかわからないので嫌でした。
保護室の外側にどんな世界が広がっているのか、全くわからなかったです。
でも「嫌です」とも言えません。
「今日の夜ご飯からホールへ出ましょう」
その夜、私は震えながら保護室のドアの外へ出ます。
ホールには私が今まで見たことのない世界が広がっていました。続く

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